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 ■ バスが秋に釣れなくなるわけ(ヒロ内藤) 2006.11.11UP

■フォールターンオーバーって何?

 バスという魚は非常に規則正しく、水温の変化に対して毎回同じような行動をとる。だから、バスフィッシングは精通していくとバスの行動が読め、釣りがゲームとしてより面白くなる。
 ところが、この規則正しいはずのバスの行動が全く読めなくなることが夏後半から冬にかけて起こることがある。フォールターンオーバー(レイクターンオーバーともいう)という現象がそれだ。
 簡単に言うと、寒冷前線が通過すると表層の水温が急激に下がり、表層の水の比重が中間層の水の比重より大きくなってしまう。その結果、湖の中での対流が起きてしまうのだ。状況によっては、ボトムに沈んでいる枯れ葉などの沈殿物まで水面に舞い上げてしまうこともある。
 バスは温水系の魚なので、水温が急激に低下すると新陳代謝が非常に遅くなってしまう。
 それ以上にバスに影響を与えるのが、生活ゾーンよりも深いところの死んだ水が対流によって上がってくるので、PH(水素イオン濃度)や溶存酸素量が下がってしまうことだ。これによってバスはショック状態におちいる。
 バスはこの新しい環境になじむまでの間は活性が下がってしまうのだ。

■フォールターンオーバーの仕組み

 夏後半から冬にかけては、バスは1年で最も活発にベイトフィッシュを追い回す時期だ。ベイトフィッシュの動きにあわせて移動してしまうバスも多い。
 だから、数日前に良かったポイントでも急に釣れなくなることがある。そんなときに、フォールターンオーバーのせいにしているアングラーを見かけることがある。フォールターンオーバーは非常に都合の良い言い訳になるのだ。
 しかし、フォールターンオーバーは何度も起きる物ではない。さらに、全ての湖で必ず起きる現象でもない。むしろ、アメリカのような内陸の湖でよく起こる現象で、日本では起きにくい現象といえる。
 フォールターンオーバーが起きるためには、それなりの前提条件が必要となる。前提条件をリストアップしてみると以下の5つのようになる。

 ・水深が30ft.(約10m)以上ある
 ・夏場に表水温が上がり、サーモクライン(変温層)がどこかの水深に発生する
 ・止水である方が起きやすい
 ・一般的に緯度の高いエリアの方が明確なフォールターンオーバーが起きやすい
 ・氷結する湖で起きやすい

知っての通り、水は4度で比重は1.0、つまり1番重くなる。水温がこれより下がると比重は小さくなり、4度以下の冷たい水は表面に上がってきて0度で氷になる。4度を境に反対側でも同じことが起きる。水温が上がってくれば、水の比重は小さくなり、その結果として水温の高い水ほど表面に来る。
 春から夏にかけて、表水温が上がっていく過程では水温差による水の対流は起きない。これは、熱伝導が表層から深い部分へ徐々に行われるからだ。
 そして、ある水深を超えると、熱伝導が急に悪くなり、一種の水温差による壁のような層が出来てしまう。これがサーモクラインと呼ばれている層だ。魚探を使っているとサーモクラインが画面上に映ることもあるくらいだ。
 夏が過ぎ秋になると、気温が徐々に下がって、水温も表層から下げられていく。表水温が徐々に下がっていくとフォールターンオーバーは起きないが、寒冷前線の通過によって、気温が急激に下がることがフォールターンオーバーの引き金となる。
 フォールターンオーバーは一般的に表水温と気温との差が13度を超えるようになると起きやすい。また、日中よりも夜間に起きやすい。気温と表水温の差が17度を超えると、沈殿物が表層まで上がってくるような過激な対流が起きる。
 しかし、フォールターンオーバーは1回しか起きない。理由は湖の中の水が対流してしまうと、サーモクラインが壊れてしまうからだ。

■フォールターンオーバーの攻め方

 フォールターンオーバーの時期のバスフィッシングが好きなアングラーはいないと思う。
 釣れない理由はバスがショック状態になっているからだ。
 活性が低いという面では、冬のバスも同じだ。冬になると水温がバスの適正水温よりも極端に低いために新陳代謝が遅くなり、バスの捕食回数が減ってしまう。だから、小さなルアーやスローなリトリーブが有効となる。
 それでは、活性の低いフォールターンオーバーの時期にも、このような小さなルアーやスローリトリーブは本当に有効なのだろうか?
 結果は、大半のバスプロたちはこの逆を行っている。
 バスプロたちに共通するのは、フォールターンオーバーが起こったら、食性に頼ったルアーセレクションやリトリーブは行わないということだ。だから、この時期には、ワームに頼るバスプロが極端に減る。彼らのルアーセレクションはジャークベイト、トップウォーター、クランクベイトの順で多かった。
 また、フォールターンオーバーの時期にルアーサイズを下げると答えたバスプロも少なかった。それよりも、リアクションバイトを誘うために、ロッドワークを多用したり、リトリーブリズムを通常と変えるというバスプロが1番多かった。
 バスの捕食スタイルはネコ科の動物に似ているといわれる。ネコ科の動物はライオンにしても、トラにしても、ネコにしても、基本的に獲物を待ち伏せるスタイルをとる。猟犬のように獲物を追いかけ回して、そして、飛びかかるスタイルとは違う。
 ネコのように待ち伏せを得意とする動物は、条件反射の習性が非常に強い。
 ネコに毛糸玉を投げて遊んだことがあるだろうか?遊び疲れてしまったネコは、止まっていたり、ゆっくり動く毛糸玉には反応しなくなる。 
 しかし、イレギュラーに動かしたり、スピードを上げてやったりするとやっぱり反応する。
 バスも非常に近いことが言えるのだ。(ヒロ内藤)


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